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大西信満

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10/17(水) 若松孝二監督の命日に出演映画『実…

山本浩司

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明日10/13(土)、映画「止められるか、俺たちを…

大西信満 

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村上淳

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映画『銃』に出演致します。公開日:11月17日(土…

村上淳

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テレビ朝日金曜ナイトドラマ『僕とシッポと神楽坂』に…

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COLUMN

構想5年、撮影期間約1年半、21世紀の罪と罰。
全9章からなる、魂の4時間38分。
1999年におきた山口県光市の母子殺害事件がモデルとなっている作品。

8歳の少女のサトは、友だちと海水浴中に両親と姉を殺害さる。ひとり残されたサトは、ひとり暮らしの祖父ソウイチに引き取られることになる。ひとり息子を育てている警官のカイジマは、他人には言えない副業をしている。春、まだ雪が残る東北の鉱山跡で“仕事”をこなしていた。バンドでギターを弾いているタエは、父の暴力のせいで片耳が聞こえない。ある雨の日、鍵屋のトモキと知り合う。

実際の事件の際、ひとり残された夫がテレビの中の記者会見で「犯人を殺してやりたい」と言い放ったのを鮮明に憶えています。最近、何かのニュースで再婚されたと聞きました。「幸せになろう」としてらっしゃるのだと思います。殺された家族も彼の幸せを願っていたのだと思います。しかし、少女サトはそうではなかった。TVの中のトモキの悲痛な叫びが、彼女にとって「生きる力」になっていきます。

「世界が憎しみで壊れてしまう前に」
見終わると、このコピーがズシリと心に響きます。
瀬々監督渾身の作品、是非ご覧下さい。

COLUMN

ジャズを演るのも、聴くのも堂々とできなかった日本の戦中、戦後。
5人の若者が、それぞれに背景をかかえ葛藤しながらもながらジャズバンド・ラッキーストライカーズを結成。武器を楽器に変えて、ジャズを演奏する。
進駐軍のEMクラブで演奏するうちに、アメリカ兵士(ピーター・ムラン氏、シェー・ウィガム氏)との心の交流が生まれる。

ジャズのスタンダードナンバー「センチメンタルジャーニー」を歌う前田亜季さんのバックバンドでピアノを弾くのは、帽子もロン毛もない大橋トリオこと大橋好規(当時23歳)。村上淳(大野明役)のピアノ指導をし、映画の劇伴音楽のビッグバンドアレンジを担当、映画にも初出演にしている。大橋がこの世界にはいるきっかけにもなった。

リーダーとしてバンドをまとめあげた萩原聖人氏、ノリにのって勢いがあるオダギリジョー氏、映画初出演にして15キロの減量をしヒロポン中毒のトランペッターを見事に演じたミュージシャンMITCH、演出的に抑えられた役柄とピアノ演奏マスターで極限状態の村上淳、松岡俊介が演じた色気あるジャズを愛する“昭和の男”、それぞれ映画に追い込まれた俳優陣の演技に男泣きする。
中盤のジャズクラブ“ROSE”(実際のロケーションは、本牧のBAR STARDUSTをお借りした)の「ALL THE THINGS YOU ARE」のシーンは、オールドでクールな雰囲気もあわせもちカッコよい。
また、最後クラブで演奏するオリジナル主題歌「OUT OF THIS WORLD」(作詞は阪本監督)は、隠れた名曲である。
この曲は、劇中では、朝鮮戦争にいくことになった兵士が書き下ろした曲で、死んでいった若者たちへのレクイエムとなる。

現在でも、戦争の時代でも、変わらない若者の生き方もあるのだと思う。音楽や映画を通じて、我々ができる事は何か、何をやるべきか、あらためて問う作品である。

COLUMN

2000年「青〜chong〜」で、ぴあフィルムフェスティバルアでグランプリを獲得した李監督オリジナル脚本によるPFF作品。

学校や社会の体制に反抗し父親を殺してしまった高校生(沢木哲)、不真面目でいい加減だが人情深いタクシー運転手(村上淳)、弟分が金を持ち逃げした事をきっかけに組織を裏切るヤクザ(光石研)、父親に捨てられ母親もに死なれ援助交際をする女子高生(前田綾花)、リストラされた夫とイジメで心を閉ざした息子をもち家庭崩壊に平常心を失っていく女(麻生祐未)、行き場所を失いかけた5つの人生が少しずつ交差し、次第に生き場所をみつけていく。

当時、「濱マイクシリーズ」の連続テレビドラマを収録していたためスケジュールに余裕がなかった村上だが、あまりの李監督の脚本力の素晴らしさに、不可能に近い数日の空き日を利用して、必要だった北海道ロケーション不参加であるが、フル稼働で参加することが出来た。
たぶん、何もコネクションもなく縁もゆかりもないであろう演歌の大御所・都はるみさんがカメオ出演したのも、この脚本力に違いない。
何度もでてくる台詞「またいつか逢おうな」には、人生の儚さと希望が伝わってくる。たとえ間違ってしまったとしても、人生はやり直しができる。

低予算であり環境的にも充分とは言えない制作体制であったし、長編作品2本目で、まだまだ構成も演出も甘い部分が多くいが、監督のメッセージが随所にこもった作品である。
そして「フラガール」や「悪人」で国内外の賞を総ナメした寡黙な李監督だが、心のこもった力強く粘り強い演出力には、当時より片鱗があったと思う。

COLUMN

なんでこのような細かい描写が出来るのか、今まで誰もが描かなかった映画に衝撃を受けた。大阪芸大出身である知り合いから「この卒業制作が話題なんです」と手渡された2本のビデオ(コピーなので画質も悪い)。「どんてん生活」「ばかのハコ船」であった。劇場公開はまだされていなかった。あまりの面白さにいてもたってもいられなかったが、どうもすることはなかった。
数年が経ち、「リアリズムの宿」が公開された。その製作を知らなかった自分の情報の甘さに後悔した。ともかく、映画祭で評価をされ、山下監督と脚本の向井康介氏の黄金コンビの才能に、いち早く目を付けた映画屋がいたのである。

青汁ならぬ架空の健康食品「あかじる」を売って一攫千金を夢見るおバカなカップル(主演の男性は山本浩司)。父親(笹野高史さん)、母親(木野花さん)をはじめ、出演者の演技が素晴らしい。多くはプロではなく大阪芸大の学生さんだったのではないだろうか。
台詞や演技含めどうやって映画を作り込んだのかわからないが、その生き生きとした臨場感あるリアルさ(貧乏くささでもある)は、才能の固まりでしかない。おばかが言うおばかな台詞も描写も必見だが、浮気が浮気を呼んでそれがバレたシーンは、秀逸である。
ダメ男三部作と言われたこれらの作品は、脱力コメディーとかオフビートとかという表現では言い表せない新しいジャンルを確立したと思う。
ここから、山下監督の快進撃はすすむ。全作品素晴らしい。これから監督の作品がどうなっていくのかはわからないが、日本映画の希望の星のひとつである。

余談ではあるが、2003年、とある知り合いから「ある俳優が事務所探している」と相談があり、その俳優はその当時公開予定だった「リアリズムの宿」に主演していた。「山本浩司」とはそこからのつきあいになる。これが縁というものなのだろう。

COLUMN

真夜中から夜明けまでのワンナイトストーリー。
最終電車に乗り遅れた男(村上淳)と、川に飛び込んで死のうとした女(赤松美佐紀)が出会う。共通の友人を亡くし、やりきれない気持のまま、二人は真夜中の大阪の街を歩きだす。目的もなく、ただひたすら歩いていく。
ガソリンスタンドで出るはずのない友人へ電話をかけ、友人の昔話を語り、想い出の動物園にいく。そして二人は、自然に別々の道を歩きだす。
道に迷った男は、偶然みつけた猫の死骸を土に埋め、無我夢中で夜の街を走り抜ける女は足をケガしてしまう。そして、二人は、歩道橋の上で再会する。
さっき想いを語ることがなかった二人は、自殺した友人の事をあらためて語り合う。そして再び、それぞれの家路につく。
何もおこらない緩やかで穏やかな夜は、次第に明けていき、朝焼けとともに傷ついた二人を癒していく。

エンディング曲のフィシュマンズの「ナイトクルージング」が、この映画をせつなくもあたたかく包み込む。

初の監督作品である山本浩資氏は、いつもは映画の照明部である。
山本監督の企画に、一線で活躍している一流の映画スタッフが集まった作品である。